動悸

動悸とは

動悸とは動悸とは、心臓の拍動が普段とは違う形で感じる状態を言います。感じ方は大きく3パターンあり、ドキドキと早く感じる場合、ドクンドクンと大きく鼓動を感じる場合、ドキッと一瞬胸が詰まるように感じる場合になります。
動悸は心筋梗塞や狭心症、大動脈瘤など心臓病の初期症状に見られることが多く、注意が必要です。

受診したほうが良い動悸の症状

心拍が速い頻脈や遅い徐脈がある場合、迅速に循環器内科である当院までご相談ください。適切な治療によって、将来の致命的な発作を予防することができることがあります。また、脈が不規則で乱れる場合は、状況によっては心配のないこともありますが、頻度が高い場合などは早めに循環器内科を受診し、必要な検査や治療を受けることが大切です。


動悸の原因

動悸の原因緊張時や飲酒時に動悸の症状が出る原因は、外部刺激によって体が興奮し、交感神経が活性化することによります。人間の自律神経には、緊張状態や興奮状態のときに働く交感神経と、安静時やリラックス時に働く副交感神経の2種類があり、この自律神経のバランスが崩れると、体に様々な不調をきたすようになります。
動悸が起きるのは、外部刺激によって交感神経が活性化した際、体を守るための防御反応の一つと考えられています。


動悸が起こる病気

ドキドキと早い動悸を感じる場合

上記の3種類の動悸の感じ方の中で最も多く、一時的に発生する動悸にも多く見られる症状です。この動悸が生じる疾患としては、頻脈性不整脈、甲状腺機能亢進症が考えられます。

頻脈性不整脈

頻脈とは拍動が速くなる状態のことで、この特徴がある不整脈を頻脈性不整脈と言います。正常な脈拍は1分間に60~100回/分程度ですが、1分間の脈拍が120回以上、多い時には200~300回を超えると、頻脈と診断されます。
頻脈になると、心臓が血液を十分に送り出せなくなるため、動悸や息切れ、めまいなどを発症することがあります。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症とは、新陳代謝を促進するためのホルモンを生成する甲状腺に異常が起き、ホルモンを過剰に分泌されてしまう状態の疾患です。
発症すると、疲労感やだるさが現れたり、動悸、ほてりなどを発症します。

ドクンドクンと鼓動が大きく、ゆっくりと感じる場合

脈拍が遅いと心臓から送り出される血液量が低下し、体中に血液が十分に行き渡らなくなって、動悸やめまい、息切れなどの症状が現れます。重症化すると失神することもありますので、注意が必要です。このような症状が生じた際には、徐脈性不整脈の可能性が疑われます。

徐脈性不整脈

徐脈とは拍動が遅くなる症状のことで、この特徴がある不整脈を徐脈性不整脈と言います。徐脈性不整脈は、1分間の脈拍が60回未満にまで低下した状態の疾患です。

心臓の拍動が乱れている場合

正常な心臓の拍動は一定のリズムを保っていますが、このリズムが明確に乱れている場合は、心疾患の可能性が疑われます。この症状が現れた際には、徐脈頻発症候群を発症している可能性が高いです。

徐脈頻発症候群

徐脈性不整脈とは、心臓の拍動のリズムが速くなったり、遅くなったりする状態の疾患です。
主な原因は、洞結節や心臓の壁が加齢などによって硬化することによって、心臓の拍動が一定のリズムを保てなくなることによります。また、症状が長期化すると、呼吸困難を引き起こすこともあります。


動悸の診断

動悸の診断では、動悸が始まった時期や、現在も継続しているか、動悸が起きるタイミングかなどを調べることが重要となります。診断では、バイタルサインを確認し、聴診によって心臓疾患の有無を判断します。その他では、むくみや眼瞼の確認を行うこともあります。
これら診断の結果、心臓の疾患の可能性を疑われた場合は、心電図や心エコーなどの検査を行い、心臓の血流の状況や、24時間継続して心電図を取り続けたり、運動時の心電図を取るなどを行うことがあります。
心臓疾患以外の場合では、血液検査を行なったり、甲状腺ホルモン量を測定することがあります。

心エコー検査

心臓の状態をリアルタイムで観察するために用いられる心エコー検査は、超音波を利用します。心臓のポンプ機能や筋肉の厚み、血液の循環状態を評価し、心肥大や弁の状態、血流の異常を確認します。痛みがなく、放射線を使用しないため、安全な検査になります。

頸動脈エコー検査

超音波技術を使って頸動脈の健康状態を詳細に調べる方法です。頸動脈に脂質の塊であるプラークが蓄積すると、血管の狭窄やプラークの破裂による血管閉塞が起こり、脳梗塞のリスクが高まります。頸動脈エコー検査によってプラークの存在や状態を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。

心電図(ホルター心電図)検査

心臓の電気活動を記録し、不整脈や心拍のリズムを評価するための検査です。24時間装着して心臓の活動を連続的に記録することで、日常生活の中で起こる不整脈などの異常を捉えることができます。心電図の波形には心臓の病気の兆候が現れる場合がありますが、正常な波形でも心臓の問題が完全に排除されるわけではありません。そのため、他の検査と併用して判断されます。

胸部X線検査

多くは肺の状態を確認するために使用しますが、心臓や大血管、胸腔内の異常も検出することができます。特に心不全や心臓の大きさ、胸腔内の液体のたまりなどを確認するのに役立ちます。